仕事を知る DIALOGUE
暮らしを支える、誇りを抱いて。
施工管理(設備)
所長×若手
川口 祐太朗
東京第二支店 工事部 所長
2007年入社/設備工業科卒
岩本 健太
東京第二支店 工事部 工事係
2019年入社/機械科卒
設備の施工管理とは、どんな仕事ですか?
岩本
簡潔に言えば、建物の水まわりや空調関係などにおける工事の施工管理をする仕事です。
川口
そうだね。もっと具体的にいうなら建物の給水・排水、空調、換気などの工事が主な担当。たとえば水の流れで説明すると、外部の水道管に接続させて敷地内に水を引き入れ、建物の各部に配管させて部屋まで繋げて、キッチンやバスルームの蛇口などから水やお湯が出るようにする。排水はその逆の流れということになるね。
岩本
現在、私たちが携わっているのは、神奈川県海老名市の大規模マンション開発。全部で500戸になる地上15階建てマンションを3棟建設するプロジェクトです。
川口
まだ工事が始まったばかりのステップなので、今は現場の事務所にいるのは私と岩本くんの2名。工事が本格化すれば設備だけでも3、4人のプロジェクトになると思う。
岩本
今回のプロジェクトは、電気の施工管理もHEXEL Worksが請け負っていて、設備と電気のチームが机を並べて同じ事務所にいます。
川口
そうだね。気心知れた仲間同士でチームワークよく工事を進められるから、その点ではすごく安心できるし、楽しみにしているんだ。
仕事で感じる面白さ、難しさは?
岩本
施工管理を言葉通りに捉えると、ただ単に工事を管理するだけの仕事とイメージする人もいるかもしれませんね。でも、実はその前の、工事の計画段階がとても重要なんです。
川口
設備や電気に限っていうと、工事前に用意されている設計図はかなり大まかなもの。そこから工事のための施工図を起こそうとすると、たとえば配管のルートが電気の設備と重なっていたり、上手くいかないことがほとんど。だから、最初によく設計図を検討して問題点を見つけ出し、納まりよく施工図に落とし込んでいくことが欠かせない。施工がスムーズに進んでいくか否かも全てこのステップで決まると言ってもよいかもしれないね。
岩本
私もこの間、練習のために施工図を描いてみましたが、ぜんぜん上手くいきませんでした。知識も経験もまだまだ足りないです……。
川口
それは当たり前だよ。入社14年目の私でも、自分が描いた施工図にミスがあることに後から気づくことがあるんだから(笑)。
岩本
本当ですか?少し安心しました(笑)。ところで川口さんは、設備の施工でどの部分が一番難しいと感じていますか?
川口
地味かもしれないけど、マンションの基礎部分である地下ピットかな。
岩本
排水の配管のことですね?
川口
そう。排水が自然に流れるようにするために配管に微妙な勾配をつけなければならない。それが難しさであり、面白さでもあるんだ。
岩本
巨大な建物なのに、とても繊細。まさに職人技の世界ですね。
川口
マンションの「顔」の部分であるエントランスなど共用部分などもそれぞれ個性があっておもしろいね。設備の施工管理としても腕の見せどころだね。
やりがいを感じるのは、どんな時?
川口
岩本くんはまだ入社2年目だったね?
岩本
ええ。この現場で3つ目です。
川口
2年目だったら、施工現場の管理で経験を積んでいるというステップだね。とはいっても、今回の現場では、毎日行われるゼネコンさんや他業者さんとの打ち合わせはぜんぶ岩本くんに任せているのだけど。
岩本
ありがとうございます(笑)。確かに他業者さんとの交渉は、一番プレッシャーのかかる仕事ですね。
川口
逆に、今はどこに仕事のやりがいを感じているのかな?
岩本
自分が立案したスケジュールや手配した材料などがぴたりとはまって、工事が順調に進んでいると感じる時でしょうか。それから職人さんたちとの一体感も楽しいですね。
川口
職人さんとのチームワーク、いいね。
岩本
川口さんと一緒に仕事をするのは、今の現場が2度目になりますが、川口さんが所長の現場はいつもそんな空気があるように感じています。
川口
そうかな(笑)。でも、確かに職人さんたちとの距離の近さはいつも意識しているかな。最近では同世代の若い職人さんたちも増えてきたしね。一緒のチーム感覚で取り組んだ方が自分たちも楽しいし、施工もスムーズに進んでいくはず。それに職人さんたちから学ぶことが、たくさんあるからね。
これまで一番思い出深いエピソードは?
岩本
これまでのキャリアの中で一番思い出深いことって何ですか?
川口
うーん、そうだな……。初めて施工管理の責任者として全て任された現場かな。入社4年目。100戸あまりの小さなマンションだったけど、あの時はうれしかったな。じゃあ、岩本くんは?
岩本
そうですね……。昨年の現場で、完成前のある検査でマンションの部屋を、全て自分で確認することになったんです。あれは正直、大変でしたね(笑)。
川口
なんだ、一番大変だった思い出か(笑)。逆に、やりがいとか感じたことはないのかな?
岩本
やっぱり自分が携わったマンションが完成して実際に人が暮らしている様子を見ると感動しますね。
川口
それは、10年以上経った今でも思うな。この仕事で感じる一番の達成感だよね。
岩本
ほら、学生の頃って、部屋の蛇口をひねって水が出てきても当たり前のことのように思っていたじゃないですか。それがHEXEL Worksに入社してこの仕事を任され、当たり前じゃないことに気づいた。それがとても新鮮でした。
川口
設備の施工管理は、電気のように人の目にとまりやすい仕事ではないかもしれない。でも、人々の暮らしを支える絶対に欠かせない仕事なんだよね。誇りをもってチャレンジできる仕事だと思っています。
成長しているという実感はありますか?
岩本
さっき他業者さんとの交渉の話をしたじゃないですか。学生時代、私はそういうことが苦手で自分には絶対無理と思っていました。ところが最近、相手に気を配って上手く自分の考えを伝えたり、少しずつ手応えを感じるようになってきました。まだ入社2年目ですけど、自分が成長しているという実感がありますね。
川口
成長ということなら、自分もいまだに感じるよ。マンションの設備は、事業主などによって施工方法や使う材料が変わってくるので毎回が新しいチャレンジ。ひとつ現場が終わる度に自分も成長したって感じられるんだよね。
岩本
川口さんはこの先、目標としていることってありますか?
川口
マンションばかりでなく、できれば学校や病院、工場などいろいろな建物の設備を手がけてみたいかな。HEXEL Worksの設備施工管理も若いメンバーがどんどん増えているから、そのためにも新しい領域を切り拓いていってみたいんだ。
岩本
私は、まずは自分で施工図を描いて現場を任されるようになることが目標ですね。川口さんは入社4年目で任されたのですよね。あと2年か……。
川口
大丈夫。HEXEL Worksなら、たとえ足りないことばかりでもガムシャラにチャレンジしていれば上司や先輩たちが絶対に支えてくれるから。自分の時もそうだったからね(笑)。